ミツバチからのメッセージ

2023.12.28
ブログ

私たちはミツバチの一家です。今年の秋、とある家の桜の木にお邪魔し、数ヶ月間滞在する仮住まいの家を建てました。寒さを乗り越え、新居に引っ越す為に、全員で準備を進めてきました。この家の人間たちも、私たちを見守っていてくれました。優しい眼差しと応援は、ちゃんとこちらに届いていました。

しかし、天は過酷な試練を私たちにお与えになりました。引っ越しの準備を始めてすぐに、寒い季節が到来したのです。これは何かの罰なのでしょうか。私たちは寒さに強い生き物ですが、耐えがたいほどの冷たい雨風に晒されて、どうしても動く事が出来ませんでした。

次第に意識が遠退き、1匹、また1匹と、巣から落ちていきました。生き延びる事が出来たのは、たった数匹でした。

あれから少し時が経ちました。人間たちは、私たちが暮らしてきた家を、今も取り払わずに残してくれているようです。この家は、私たちがこの世界で生きた事を証明出来る唯一の財産。彼らにとってただの厄介者じゃなかった事が、何よりも嬉しい。

残念ながら、私たちの一生は短かった。でも、命はこれで終わらない。神様の手で繰り返し姿形を変えられ、ずっと続いていくものだと思っています。いつかまた、土から出てきて、今度は別の何かになって、どこかの家へお邪魔します。その日が来る事を夢見て。

最後に、私たちから、皆さんに知っておいてほしい事をお話しします。

春から夏にかけて、庭木や軒先でミツバチが固まっている事があります。「分蜂」といって、ミツバチが新居に引っ越そうと準備をしているところです。

気がついたら、大量のミツバチの集団が、あなたの家のどこかで固まっているかもしれない。それを見ても驚かないで。追い払ったり、殺虫剤をかけて殺したりしようとしないで。たとえそれが、季節外れの引っ越しだったとしても。そちら側から何もされなければ、私たちも何もしません。皆、生き延びるのに必死。だから、引っ越しが終わるまで、どうかそっと見守っていてほしいのです。

今度は暖かい春に会いましょう。じゃあね。