初めての小道具制作

コスプレ活動をする上で、お金は少なからずかかるものである。衣装やウィッグなど、どうしても買わなければならないものは仕方がないが、必要なものを一式揃えるのに少しでも安く済ませたいのが本心だ。コスプレイヤーの中には、衣装を一から自分で作る人も居る。小道具も同様だ。私は今まで自分で小道具を作った事がなかった。作ろうとも思わなかった。自分には到底出来ないと分かっていたからだ。

一度だけ友達から小道具を借りた事があるのだが、誤って破損させてしまった。勿論故意的にではない。が、要らなくなったら返すよう約束した大事な作品…どんどん壊れていく借り物に私はパニックになり、ただただ平謝り状態だった。本人が目の前に居たら、額から出血するほど頭を下げていただろう。この場を借りて今一度謝罪する（彼女が聞いたら「分かったって、しつこいな！」とか言いそうだ）。

それ以来、小道具だけは借りるのをやめようと決めた。借りるくらいなら多少高くても買おうと思った。

とはいえ。私は衣装やウィッグを作るだけの技術がないので、そればっかりは通販に頼らなければいけないが、どうにかして出費を抑えられないものか考えた。数ヶ月のお休み期間を経て久々のコスプレイベントへの参加を決め、キャラクターの研究をする為にYouTubeを徘徊。そしたら100均の商品で小道具を作っている動画を発見した。やる気スイッチが入った瞬間だった。「これなら出来る」「作ってやる」と。

動画を何度も見て、必要なものをまとめて、100均の中をぐるぐる回って、何とか準備は整った。さあ作るぞ。思い立ったら猪突猛進、私は珍しくやる気に満ちていた。

が、待ち受けていたのは幾つもの難関。特にラップの芯の切断（部位的にのこぎりでも不可能だったので丈夫なハサミで無理矢理切った）と段ボールがくっつかない事（部品を1つ1つ作るのではなくまとめたものを接着）、あとシールがベリベリ剥がれてくる（手で押さえれば何とかなる）のには手こずらされた。結果、力がこもったのと変な姿勢だったせいで手足は暫く筋肉痛になり、形は不格好の、手作り感満載の小道具が出来上がったわけだ（2割ほどは自己流である）。が、完成した時は嬉しかった。不器用だからと逃げなかったのは勝利と言ってもいいのではないだろうか。その後何度か改良したが、また使う事があったらその時にもっとよりよく作り直そうと思う。一先ずイベント当日、終わるまでもてばいいのだ。

別にもう1つ小道具を作ろうと思ったのだが、一番必要なものが全店舗取扱なしである事を見落としてしまい、作る事は出来なかった。諦めて通販で買う事に。ペンとかテープとか色々揃えたのに、ちょっとだけ痛い出費となってしまった。まぁいつか使う日が来るだろう。

1つだけでも自分で作る事が出来たのは大きい。その分安く済んだと思えばいい。これからも小道具は、作れるものは作っていくつもりである。まだ人の真似をしなければ作れない。自己流で頑張らなければいけないものに関しては、上手く出来るかは分からないが、頑張ってみる事にする。出来た時の喜びは、計り知れないだろうから。

コスプレイベント、楽しみだなぁ。

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