自分と向き合った日

前にもチラッと触れた事があったかと思うが、今日は改めてその事を話そうと思う。

昔から人とのコミュニケーションや空気を読む事が苦手だった。冗談のつもりで、少しからかうだけのつもりで、笑わせたくて言った一言で、何人の人をこれまで傷つけてきただろう。何人の人と諍いを起こしただろう。学生の頃は言いたい放題だった。それで相手が怒っても、私は気にも留めなかったし、謝らなかった。そもそも悪い事を言っている自覚がなかった。本当に横暴で最低な人間だったと思う。

そんな私についてきてくれ、今でも仲がいい人も居るけれど、学校や就職先が離れたのをきっかけに関係を絶った人も居る。彼氏もそれで離れていった。そこまでされても、最初は全く気にしていなかった。自分は悪くないという謎の自信があった。

「何かがおかしい」そう感じるようになったのは、学生を終え少し経ってからだった。以前勤めていた会社を辞め、入院を経て先天性の障害が発覚した。その障害は人とのコミュニケーションや空気を読む事を苦手とするのが特徴だと知った。その瞬間、ストンと腑に落ちる感覚を覚えた。そういう事だったのか、と。

私は今まで自分がしてきた事を反省した。障害が見つかった事がきっかけで、初めて自分と向き合ったのだ。もう時間は巻き戻せない。分かってはいたけれど、この先の未来を変える事は出来る。いつしか私は、もう同じ過ちを繰り返さない事を決意するようになった。障害が治る事はないけれど、行動や発言を見直し、どう言えば相手を傷つけずに済むか、どういう事は言っちゃいけないのかなどを意識しながら会話する事を今も頑張っている。お陰で大分周りの空気は読めるようになったと思う。それでもやっぱりコミュニケーションは苦手で、たまに無意識のうちに人を傷つける発言をポロッと言ってしまう事があり、その度に一人反省会。自分の発言にくよくよしてしまう事が代わりに増えてしまったが、今までは反省すらしなかったのだから、大きな成長だと思えばいいのだ。

ここで懺悔するのは違うのかもしれないが、出来る事なら、今まで傷つけてしまった人全員に謝りたい。そして伝えたい。「障害を理由に言い訳し、逃げるつもりはない」と。許してくれないのならそれまでだ。私が彼女らにしたのはそれくらいの事なのだから。

この間高校時代の友人たちと食事をした際、昔傷つけてしまった人に無事謝る事が出来た。一緒に居た仲間に「暗いよ～これからご飯食べに行くんだよ？」と止められてしまったが、ずっと謝りたいと思っていた相手の1人だったので、少しでも謝罪が出来てよかった。

人を傷つけてしまった事実は消えない。遠く離れていった友達に対して今の私が出来る事、それは、「傷つけた事を忘れずに生きていく事」だけだと思っている。

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